夏休みプチ旅行(1) 灼熱の関西紀行2007年08月24日 19時24分43秒


<中年でも買える青春>

 8月10日。
 仕事を半ば放り出し、あたふたと準備をして夜、夜行快速「ムーンライト九州」に乗り込んだ。
 新大阪まで夜通し走る臨時の夜行列車だ。寝台ではなく、かなり深くリクライニングする普通座席で一夜を過ごす。
 一応それを説明して娘に許可は取ったが、まだ10年ちょいしか人生経験の無い娘に「普通座席で一夜を過ごすキツさ」がわかるはずは無く、娘はわくわくしているのだった。


<しらじら>

 11日朝、
 リクライニングは深ければいいというのものじゃない事を私は学習した。どんなに上半身が水平に近くなろうと、いや、逆に水平になる程、足が落っこちている為腰への負担が半端じゃない。
「よく寝れなかったー」
 娘は横でぼんやりしている。

 午前7時前に新大阪駅に到着。
 構内の神戸屋で朝食を買い、駅前のネットカフェに向かう。朝食・着替え・次の日の電車の予約をここでやろうという魂胆である。
 実は、娘には「大阪=ネットカフェ」という刷り込みがある。以前友人の結婚パーティーで大阪に来た際、当てにしていた宿に泊まれない事が発覚して急遽通りすがりのネットカフェに飛び込んでホテルを取った。その際に、最新機種のPCが触り放題だった事に娘が狂喜乱舞してしまったのだ。
 なかなかPCの前を離れない娘の気が済むのを待って、京都に出発。

 お昼は蝶子さん、ろくこさんとランチ。
 そして午後3時くらいから、預言者さまと会うことになっている。

 たぶん午前中は余裕があるだろうと踏んで、娘と金閣寺にいく約束をしていた。娘でも金閣寺は社会で習ったらしい。教科書に載っているらしい。
 だがしかし、ネットカフェで時間を食い、乗った電車が気付けば鈍行で、着いてみれば時間に余裕は無い。
「ばたばたになると思うけど、どうしても金閣寺行く?」
「行く」
 ええい、強行軍だ。急げ。


<京都らしいバスの中の風景>

 京都は暑かった。
 金閣寺はやはり観光客が多い。





 暑い。
 とにかく暑い。
 ふと気づけば、まわりに日本人がいない。日本人だと思っていたらいきなり中国語を喋り始めてびっくりする事数度。
 順路に沿って進んでいくようになっていて、逆走は許されていない。日本語でない声に囲まれて流されるように順路を進む事しばし。
 やっと外に出て時計を見ると「やば! 間に合わない」

 10分ほど遅刻した私が地下鉄の駅から出ると、道の向こうでろくこさんが手を振っていた。

 待ち合わせよりかなり前から炎天下で待ってて下さったろくこさん、
 忙しい仕事の合間を縫って自転車で駆けつけて下さった蝶子さん、
 ものすごく忙しい二人に無理に時間を作ってもらってのランチである。この時間を作る為にかなり無理をしてくださったと思う。でも二人ともそんな素振りも見せず、笑顔で再会を喜んでくれた。
 ありがとうありがとう。私も会えて本当に嬉しい。
 女三人、とりとめも無い話であっという間に時間は過ぎた。

 この後も仕事がある蝶子さん、自宅に帰るろくこさんと別れて京都駅から大阪へ。



 預言者さまとの待ち合わせ場所はJR大阪駅。
 大阪駅って、何処で待ったらいいのっ。何処に何があるとかそういう構造も全くわからない。私たちの方が早く着きそうだし、なるべくわかりやすくて時間も潰せるホテルとか喫茶店とかがいいはずだ。
 去年、例の結婚パーティーの友人と駅構内のホテルの喫茶店でお茶した事を思い出す。ええと、確か、そうそう。

「えっと、今ホテル○○の、カフェレストラン△△でお茶してます」
「え、何処のホテル?」
「あの、駅の構内の」
「ああ構内ね。名前、なんやったっけ?」
「……私のですか?」
「ホテルの!(笑)」

 なんだかんだと電話のやり取りをしつつ、やっと会えたときには双方思わず笑い出してしまった。
 預言者さまはよく笑う、明るくて素敵なおじさまだった。

 しばらくは他愛も無い話をしていたと思う。
 初対面である。横に(ゲームをしている)娘がいるとはいえほぼ二人きりだ。当然のごとくあまり喋れない私に気を使ってか、どんどん話を広げていく預言者さま。
 ……気がつくと、話の内容が完全に「預言者さま」だった。お、お、おおおおおと密かに感激する私。目の前にいるのは、確かに確かに預言者さまなのだ。

 預言者さまと私。
 どちらも「文章塾(ブログ版)に1回目から参加して、それ以来ずっと参加している」のだが、投稿し始めたきっかけも同じである事が話していて判明した。

「アサヒネットからのメールを見て、賞金の5万円に目が眩んで……」

 もし賞金が無かったら、まず出会う事は無かったふたりである。
 偉大なり、5万円。


<夕日の大阪城>

 レストランを出て、預言者さまの案内で大阪城へ向かった。
 大阪城、小学校の時の修学旅行と、多分会社の研修で住んでいたときも行ったと思うが、最近改装したそうだ。大阪城は実に見覚えの無い姿になっていた。

 展望台に登り一通り城の中を見学をした後、お城の前の広場で休憩。
 広場に風が吹き抜ける。預言者さまは気持ち良さそうに煙草を吸い、娘は横でたこ焼きを食べてご機嫌。
「ここはね、マンウオッチングには最高の場所ですよ」
 私は、預言者さまがマンウオッチングをしているという事実にびっくりする(←おいおい)

 預言者さまに再び大阪駅まで送ってもらった頃、時計はちょうど午後7時を指していた。
 都合のつくぎりぎりまで付き合ってくださったのだと思う。
 ありがとうございます。
 楽しかった。

 だが、この暑さのせいだろう。夜行列車の疲れもあるかもしれない。
 気がつくと私も娘もかなりへろへろになっていた。
 薄暗く生暖かい大阪の街で夕食の店を探しながら、ふと思う。

「これで、夜mukaさんと飲むとかいうことになっていたら、娘がキレたかもしれんなあ……」

 つづくっ!

コメント

_ おさか ― 2007年08月24日 20時31分23秒

ふおおおお
す、すごすぎる。強行軍だったのですねやはり。
重ね重ね、エアコンのないお座敷に通したことが悔やまれる・・・・
わやくちゃな居間でも涼しいほうがよかったかもー。ごめんなさいー(汗)
このあと雷鳥なわけですね。うふふふ。わくわく♪

_ mukamuka72002 ― 2007年08月24日 21時36分09秒

甘いなー甘い!
おさかさんのスリーサイズとか!
足のサイズとか!
うーん、
ろくこさんも書いてなかったしなー、
あれほど詳細情報求めたのにー。

ぎんなんさん、
来年男装してくれませんか?
僕は女装しますから
それで
こっそりおさかの里にいきましょう!
僕はろくこさんに頼んで、
着物借りてゆきます!

……あれ?
なんで、男女いれかわらなくてはならないの?

_ 蝶子 ― 2007年08月24日 22時56分01秒

バスの写真に笑いましたよ。
ジモッピーでもなかなかこんな風景には会えないよ。
暑かったけど、いい天気のおかげで金箔テカテカ寺のよう光っちょること。

私のほうこそ、仕事の現場近くまで来てもらって申し訳ありませんでした。でも、おかげで時間を確保できて、たんまり好き勝手言い放題できました(私だけか?)。楽しかったです。またおこし。

_ 儚い預言者 ― 2007年08月25日 00時22分40秒

 青い空、写真はいいですねーー、記憶の淵にある真実に近づいている気がする。本当、なんか嘘のように一瞬のときめきでした。
 しかし、強行軍なのに私の無策に付き合ってくれて、本当に感謝です。
 なっちゃんにもよろしく伝えてください。こんどこそは大阪城の外堀門奥にある巨大岩を登りきって見せると大見栄切っていると。

_ ぎんなん ― 2007年08月25日 11時05分22秒

おさかさん、
あ、いえいえ、そんな。
詳細はおさかの里編で♪

mukaさん、
そんなサイズ知らんわ(蹴り)
えっと、私は普段ほとんど男装状態(化粧しないし)なんですが、これ以上の男装はどうすればいいでしょう。やっぱりスキカルで坊主?

蝶子さん、
北大路でバスに乗り込んだら既にこの状態だったので「うおおおおおおお。すげー。さすが京都」と思って写真撮ってしまったんですが、珍しかったんですか。ちなみに前から2番目のお坊さんは寝ていました。金ピカ寺は最大限に光っている写真をチョイスしてみました。
娘は駄目でしょうが、私は味をしめたのでまた青春買い込んでこっそり行っちゃうかもですよ。その時はよろしくー(^_^;;

預言者さま、
実のところ、私の記憶は飛び飛びなのですよ。合っているでしょうか?
強行軍は金閣寺行きだけで他はそれほどじゃなかったんですが、やっぱり暑さのせいでしょうか。こちらこそ、ありがとうございました。
娘には伝えておきます。私も期待しておきます(^_^)

_ ヴァッキーノ ― 2007年08月25日 21時29分59秒

あれ?
ぎんなんさん、なんでボクの後姿を撮影してるんですか?
ちなみに前から2番目がボクです。。。

_ コマンタ ― 2007年08月26日 01時14分45秒

写真のせいばかりじゃありませんが、ぼくも追体験してしまいそうな臨場感です。そうそう、五万円の賞金も思い出しました。賞金はもらったと思って、投稿するまえに賞金分の買い物をしてしまった、救いようのない自分も思い出しました。大阪城、きれいです……

_ ぎんなん ― 2007年08月26日 09時40分41秒

今放送してるアニメ版ゲゲゲの鬼太郎にろくこさんが登場したー。
ろくこさん美人♪

ヴァッキー、
あ、あれがヴァッキーだったのねー。毎日さいたまから京都まで来るの大変だねー。だから寝てたのねー。スキカルって綺麗に剃れるのねーーー。っておい。

コマンタさん、
いや、写真はもっと撮ったら良かったなあと思うんですが、人と会ってる時にあんまり写真を撮るのもどうかなーとか思いつつ、実際は暑くて気力が無かったんだと思います。
5万円は絶妙な賞金だったなあと思いますね。あと、何事もそうですが実力だけでは計れないものが常に賞には付いて回りますね。

_ ろくこ ― 2007年08月27日 21時08分29秒

ぎんなんさん
あの日も暑かったけど
昨日と一昨日もすんごい暑さ
体に悪いですわん
今度はもう少し気候のよいときにおこしやす
みんなで遠足しよー♪

_ ぎんなん ― 2007年08月28日 00時13分28秒

ろくこさん、
そーだねー。
あついとすべての気力が削がれるねー。
秋とかいいんだろうなあ。綺麗なんだろうなあ。遠足いいなあ。
でも暑いときと寒いときしか休み無いもんなあ……。

_ マロ ― 2007年08月29日 23時05分15秒

ちょうど11日は梅田で友達と飲んでたんですよ。
そうか、預言者さんと梅田界隈をうろうろしてたのだったら、どっかで接触すればよかったなあ。
午後8時半過ぎにおわったので、酔ってへろへろになった僕とすれ違っていたかもしれませんね。

_ ぎんなん ― 2007年08月30日 08時41分32秒

マロさん、
え、そーなんですか。
でも、実はあまりうろうろはしていないのですよ。7時に預言者さまと別れたあと蛸の徹でたこ焼き食べて帰ったくらいなので、ちょうど出会えてない感じかな。
偶然マロさんに出くわしたら面白いだろうなあ。梅田じゃ付近でマロさん飲んでるし、江坂のホテルはくれびさんちと至近距離だし、けっこう近くにいろいろな人が居たんですねぇ(^_^)

_ mukamuka72002 ― 2007年08月30日 11時17分24秒

ぎんなんさん知らなかったんですか?
僕もそばにいたんですよ、ずっと。
背後からずーっとつけまわしていて、その行動を全部メモしてたんです。
見ましたよ、あなたがあんなところで、あんな事をするなんて驚きました。
写真も撮りましたので、お譲りしてもいいですよ。ただ、少し幾ばくかのプリント料は頂きますぜ、メールで代金お知らせしますから。
もし払えないというのなら……。

_ ぎんなん ― 2007年08月30日 12時26分38秒

mukaさん、
えー、mukaさん、あれ見てたの?
今月ねぇ、財政はピンチもいいとこだから余分なお金は一銭もないわ。
で、払えなかったら、どうなるのー? うっわー、楽しみー。わくわく♪

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